もの忘れ・認知症外来


認知症というと「もの忘れをする病気」と思われる方が多いと思います。

それでは認知機能とはどういうものでしょうか?一般的に認知機能というと「記憶障害」「失語(しつご)」「失行(しっこう)」「失認(しつにん)」「遂行又は実行機能障害」などがあります。

 

また、認知機能障害を呈する疾患は数多くあります。そのなかで有名なものにはアルツハイマー病やピック病、びまん性レビー小体病などをはじめとした神経変性疾患があります。

しかし、以下の「認知症や認知症様症状をきたす疾患」を見ていただければお分かりのように診断をつけるに専門的な神経学的な診察・検査や血液検査、MRIによる脳の精密検査(保険適応)が診断が必要となります。

症状


認知症の症状には「中核症状」と「BPSD」(行動・心理症状)に分かれており、認知機能に関係のある「中核症状」は脳の神経細胞が壊れることにより直接起こる症状をいいます。それに対してBPSDは、中核症状が起こることで、行動や心理面に現れる二次的な症状のことを言います。

 

≪認知症の中核症状≫

  1. 記憶障害:直前に起きたことも忘れる記憶障害
  2. 問題解決能力低下:筋道を立てた思考ができなくなる
  3. 判断力能力障害:予想外のことに対処できなくなる
  4. 実行機能障害:計画的にものごとを実行できなくなる
  5. 見当識障害:いつ・どこがわからなくなる見当識障害
  6. 高次機能障害
    ・失行:運動可能であるにもかかわらず合目的な運動ができない状 
     態。簡単にいうと失行は麻痺などがないが、「○×ができない」と
     いう状態。例)物品を使用することができない(観念失行)服を着
     ることができない(着衣失行)形が作ることができない(構成失
     行)
    ・失認:五感覚のうち一つを介して対象物を認知することができない
     こと。病態失認や半側空間無
    視なども含まれる。
     例)道具を見ても使い道がわからなくなる
    ・失語:言いたいことが言えなくなる、ものの名前がわからなくなる
    ・病識の欠如(自己モニタリングの障害)

 

≪Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD≫

中核症状の進行をによって二次的に生じる精神症状・行動障害のこと言います。

精神症状:抑うつ、不安、幻覚、妄想、睡眠障害など

行動障害:暴力・暴言など攻撃的行動、叫声、拒絶、徘徊(はいかい)、不潔行為、異食など 

診断


1.問診

 (ご家族も同伴くだされると診断に非常に助かります。いつから、どのような症状かを観察・整理していただけると助かります。)

2.知能検査(簡単な認知機能検査)

3.血液検査

4.MRI画像検査
(MRIにて脳血管障害や脳の萎縮の程度やそのほかの疾患の有無などを詳しく検査します)

治療


医療はすべからく、すべてにおいて診断があっての治療が原則になります。

現在行われている治療法は大きく以下のように分類されます。

・薬物療法(認知症のタイプによって異なります。)

・非薬物療法

 

・外科的治療  :正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などにより認知
       症になっている場合は外科的治療にて治療が可能です。
       これらの診断には頭部MRI検査(保険診療)が必要です。

 

薬物療法に関して私が思うこと:

現在ある抗認知症薬による薬物治療が行える認知症はアルツハイマー型認知症とピック病のみになります。逆に言うとそれ以外の認知症では効果が実証されていません。現在抗認知症治療薬を飲んでいてあまり効果がないように思えるように思えたら、専門医による診察をご検討ください。